ベラビスタにはかなり多くの部屋タイプがあります。今回のお部屋はスイートではありませんので、まずスイートタイプは除外すると、スタンダードなほうから順番に「ラグジュアリールーム」「コンフォートラグジュアリールーム」「テラスラグジュアリールーム」となります。すべての部屋がオーシャンビューとうたわれていますが、階の平面図を見ると海が見えない部屋もあります。そちらはおそらくは研修や団体など特殊な用途にのみ使用するのか通常は使わないのかどちらかなんでしょうね。
スイート以外の上記3つは広さはどれも50平米です。であれば一番安い部屋でいいのではと思うかもしれませんが、もともとこちらのホテルの建物はオーナーである常石造船が迎賓館としてゲストをもてなすために50年以上も前に建てたものです。当時としては立派な建築だったのでしょうが、基本的なつくりはかなり古く、ウェブサイトの写真から判断すると、つまりはスタンダードに近い部屋ほど当時の面影を少し感じるような気がします(どの部屋もきれいに改装されているので古びているわけではありません)。古い建物であることは外観やエレベータに乗った時などときどき感じることがあります。
今回はテラスラグジュアリーというタイプに宿泊したのですが、そういう古さは感じさせない快適さでした。まあ例えばニューオータニのエグゼクティブハウス禅も古い「ザ・メイン」棟にありながらあそこまできれいに仕上がっているのと同じと言えるのでしょう。
さすがに50平米あると部屋はゆったりとしています。
大きなソファセットを配置しても狭さは感じさせません。
ソファも向こう側にはバルコニーがあり瀬戸内海が広がっています。
まだ日は差していましたが雲が多くなっていたのが残念です。午前中は快晴に近かったようですが。3月になるとどうしてもこういう天気が増えるのでこの時期本当は1~2月のほうがベストでしょう。
ベッドはダブルもしくはハリウッドツインでいいような気がしますが、ツインの部屋が多いような印象です。でもこれは後ほどこれで正解ということがわかります。ベッドボード上にはこのあたりの名産の「デニム」が。デニムは館内のあちこちで使われています。
コントローラーがあり、照明などはここから制御できます。
テレビのある壁側はローボードがあるのみでシンプルです。このあたりもう少し「遊び」があってもいいような気がします。
ローボードの引き出しを開けるとデニムの館内着がはいっています。これでレストランも利用できますが、であればもっとサイズを絞った見栄えがするものにしたほうが良いと思います。素材感はとても良いのですがシルエットで損をしている感じです、アイデアは良いのですが。
別途部屋着もあります。上下セパレートになっているのは良いですね。
ボード上に置かれているミニオーディオ。
浴室にはかなりの面積が割かれています。洗面はシングルですがスペース的には余裕があり、使いやすさは問題ありません。アメニティーは以前はブルガリだったように記憶していますが、こちらはコストダウンなのか、もしくは瀬戸内とまったく関係のないハイブランドのものを置くのであればオリジナルのものをと考えたのか、おそらく両方でしょう。使い心地は悪くはありません。
化粧水等も含めフルセットで用意されています。オリジナルのシートパックもあります。もしかするとこういうものへの要望が多かったのかもしれません。個人的にはラグジュアリーホテルはプロダクトアウト的な発想でいいと思いますのであまりに利用者の声を聞きすぎる必要はないと考えています。
トイレはもちろん清浄機能付きです。
バスタブはカラダがすっぽりと入ってしまうほどのサイズ。洗い場のスペースも広大です。設備の充実した大浴場があるのですが、浴室がここまで贅沢なつくりだとこちらにも入ってみたくなりますね。バスローブも用意されています。
スリッパはふかふかです。
ブラシは使い捨てにするのはもったいないようなもの、マンダリンオリエンタル東京やペニンシュラ東京と同じようなレベルのものです。ソーイングセットもハサミまで用意されています。
ボードには豪華船のガンツウや日本唯一の定期水上飛行機「せとうちSEAPLANES」のパンフレットがありました。いずれもベラビスタのマリーナから出発します。出発前にはマリーナのラウンジでくつろげるようになっています。水上機は50分で3万円以上しますがぜひ機会があれば乗ってみたいですね。ちなみにガンツウのほうは1泊あたり最低20万です。う~ん、さすがに手が出ないです。
ミニバースペース、エスプレッソマシンやミネラルウォーターは無料ですが、他はチャージとなります。もっと種類は減らしても良いのでこのクラスのホテルであればソフトドリンクあたりまでは無料にしたいところです。
引き出しを開けるとグラス類が収納されていました。
次回は大浴場の様子をお伝えします。