ニッカウヰスキー余市蒸留所の見学と試飲(2023年7月 2024年3月)

今でこそ全国各地で素晴らしい地ウイスキーメーカーが誕生していますが、一昔前まではジャパニーズウイスキーと言えばひとつはサントリー、そしてもうひとつはニッカでしたね。北海道には数えきれないほど来ていて、かつ今は別宅もあるのに何故か最近までニッカの工場を訪れたことがありませんでしたので、今回(と言っても最初は去年ですが)来てみました。

まずは昨年7月に訪れた時のことから。

余市へは札幌円山からバスで訪れました。別宅から徒歩圏にバス停がありますし、鉄道だと小樽までは良いのですがその先の本数が少なく、かつ輸送力を減らし過ぎたために時期によっては激混みになったりするのでバスしか考えられません。本当にJR北海道は何がやりたいのか全く分かりません。赤字やら組合やら色々と問題が多いことは理解しつつも。

余市はバス乗り場の位置に注意です。

この時期の柿崎商店の食堂は特に週末は大行列です。

工場見学の受付は駅やバス停に近い正門から。売店のみの利用もできるのですがこちらからは入れないため大きく裏側まで回り込む必要があります。工場見学はWEBサイトから事前予約が可能で特に週末は数週間前には予約しておいたほうが良いです。

正門を入ったところ。手前左側がビジターセンターで重要文化財の建物になります。こちらの蒸留所には重要文化財の建築物が多くありますが現役の工場でこれだけ重文クラスがゴロゴロしているのもすごいものがありますね。

こちらではまず最初に5分ほどの短いビデオを見学しますが、この内容がとっても良いです。

こちらは今は使われていない乾燥塔(キルン塔)です【重要文化財】。発芽した大麦をピートでいぶしながら乾燥させ、麦芽をつくる施設です。今は外部でこの作業はおこなわれています。

粉砕、糖化等をおこなう工程です。

そして蒸留棟へ。発酵棟から蒸留棟へは積雪を考慮して地下にパイプが埋められています。

ポットスチルにはしめ縄が。これは竹鶴政孝の実家の造り酒屋にならったものです。

余市蒸留所では今では世界で唯一、石炭による直火蒸留がおこなわれています。もともとはロングモーン蒸留所に倣ったものです。このシーンを見るとこんなに手がかかっているのだなあと余市を飲むときに更に美味しく飲める気がします。

他よりもちょっと小さいポットスチルが創業当時からあるものです。

こちらは設立当時の旧事務所【重要文化財】です。

大日本果汁、略して日果(ニッカ)というのが今の社名の由来ですね。何故果汁かというかウイスキーを販売できるまでにはある程度の期間を要するため、それまでは資金繰りもあり余市のリンゴジュースを販売していたからです。

こちらは旧事務所の中です。

リタハウス。1984年まで研究棟として使われていました【重要文化財】。

当時の窓ガラスのままなので歪みがあるのが味わいがあります。

竹鶴政孝がリタ夫人と暮らした旧竹鶴邸。余市の郊外にあったものを移築しています。

内部は和洋折衷の造りです。

一号貯蔵庫【重要文化財】の内部。

一通り見学を終えてテイスティングホールへ。

緑に囲まれた感じで良いですね。

とりあえずノンヴィンテージの余市は無料で試飲することができます。あとはスーパーニッカとアップルワインですね。3種類のお酒の他にソフトドリンクも飲むことができますよ。

売店にも立ち寄ります。最近は通常の余市は売っていないことが多いです。

ピュアモルトはバランスの良い味わいなので買っていきますよ。ブラックとレッドがあり余市寄りの味が好きな方はブラックで宮城峡が好きな方はレッドで。

余市蒸留所限定のものは他にもあります。

そして最後はニッカミュージアムも見学します。

ニッカミュージアムの中には有料試飲のコーナーがあります。これは飲まないわけにはいかないですね。

竹鶴ピュアモルトはいつも新千歳空港のJALダイヤモンド・プレミアラウンジで飲んでいますからここで飲む必要はありません。シングルカスク余市10年かシングルモルト余市10年のいずれかははずせないですね。フロム・ザ・バレルも好きなんですがこちらは家にまだ結構ストックがあります。

蒸留所限定品についてはシングルモルト余市のウッディ&バニラ、シェリー&スイート、ピーティー&ソルティーは売店で買えますが、どれか1種類ぐらいはここでも飲んでみましょうか。鶴も飲んだことないのでついでに。

というわけでこんな3種類になりました。

いずれも美味しかったのですがシングルカスク余市10年はさすがの美味しさでしたね。

資料館自体も見ごたえがありますよ。

びっしりと書かれたノートがすごいです。

2度目の訪問は2024年3月です。

この時もバスで。

前回とは風景も一変していますね。

冬の風景は北の国の蒸留所らしくて良いですね。

冬は見学できる範囲が他の時期よりは狭まります。

初めて見学するなら冬以外の時期をおすすめしますが2回目以降でしたら冬が良いと思います。なかなか他の蒸留所では見られない光景です。

この時は試飲時に自販機でおつまみを購入しました。このチョコレートが当たり前ですがウイスキーにもよく合って美味しかったので見学・試飲後に売店で追加購入しました。

前回より有料試飲コーナーも空いていましたね。

前回より試飲できる銘柄が減っていました(泣)。

札幌の別宅がある間にもう何回か行きたいですね。