ホテルのメインダイニングと言えばフレンチだった時代を今に最も受け継いでいるレストラン。
「ラ・ベルエポック」という名前からしてすでにクラシカル。ホテルフレンチが華やかだったころの「良き時代」を感じさせる。
レストランへの入口へと通じる長い廊下もある意味贅沢。
こちらのレストランに来るのは本当に久し振り。最近はイマ風?のフレンチ続きだったのでたまには良いかもと訪れたのだった。店内に入るとちょっとイメージが変わっている。一部がバロンオークラとなってその分スペースが狭くなっているのはもちろんなのだが、妙に客層が若い。高齢のゲストが多かったはずなのに不思議に思っていたら、どうやらこの日はウェディングフェアだったらしい。
飲み物のメニューを頼むと、グラスワインのリストを持ってきた。週末であっても昼からしっかり飲むゲストは確実に減っているのだろう。この日はシャンパーニュの気分だったのであらためてワインリストを頼むと、ほどなくチーフソムリエらしき人がやってきてオススメなど説明をしてくれた。
リストにはシャンパーニュが1万円ぐらいから豊富にある。ホテルとしてはかなり安めの設定だ。外資系の某ホテルなら1.5倍ぐらいするだろう。この価格ならとボトルを注文したら、
「ほんと、いっちゃう? ボトルで飲んじゃう??」とソムリエ氏。思わずこちらも笑ってしまう。「あたしもシャンパーニュ好きなの~」とご機嫌な感じに。他の仕事そっちのけ?でマメに注ぎに来てくれた。ホテルのメインダイニングでありながら堅苦しい印象はない。
そういえば昔、スターライトラウンジで毎週水曜日だけケーキブッフェをやっていて、そこでは好きな大きさにケーキをカットしてくれたのだが、当時20代だった自分たちには「若いんだからたっぷり食べてね」といって(そんなにいらないけど)大きく切り分けてくれた、そのノリを思い出した。
さて料理だが、これは本当に昔ながらのホテルフレンチ。ソースも重ためだし、味も盛り付けもオーソドックス。但し、だからダメという話ではなく、これは好みの問題だと思う。その時代にフレンチを楽しんできた世代がたまに食べるにはやはりこの味と思うだろうし、また別の人にとっては全く魅力のないものに感じるかもしれない。個人的には現代的フレンチももちろん好きだが、たま~にこういうものが食べたくなるのも事実。気分で使い分けたいと思っている。
デザートはワゴンサービスで。そういえば最近はデザートワゴンも減ったかも。。
こういう昔ながらのホテルらしいレストランも少なくなってきたので、これはこれで貴重な存在だと思うし、今後も時々は訪れるだろう。