夕食は本棟にある個室の食事処でとります。窓からはニセコアンヌプリからの湧水が溜まる池と緑の風景が。
6月の北海道の緑は本当に美しいです。私が北海道で最も好きな季節のひとつです。
坐忘林の夕食は「キタカイセキ(北懐石)」と名付けられたコースです。器や料理の坐忘林の世界観を反映したものになります。
まずはビールで。注ぎ具合は完璧です。
手書きのメニューです。日本語と英語で書かれていますが達筆すぎるのか、クセがありすぎるのか全部は読み取れません。
最初は山・川の幸、取り合わせとして
朝採り摘み草揚げ 山女魚の香り揚げ エゾ鹿肉のジャーキー です。
新鮮というと陳腐に聞こえるのですが「生」を閉じ込めたような活き活きとした揚げ物でした。横に添えてあるのが鹿肉のジャーキーです。
濃厚なジャーキーは少しだけ。
帆立、北寄貝、梅貝を蒸したもの。
味付けは北だからか濃いめです。
これはもう北の国ならではの貝の競演というか饗宴ですね。味も見たままのイメージです。
すまし汁は、羽衣つつみ しらす 甘エビしんじょ わらび 柚子の花 など。柚子の花は関東だと5月頃によく使われますね。
綺麗で凝ったお椀で、アクのない澄んだ味わいです。要素としては日本的にはもう少しシンプルでいいのではないかと思いますが外国人にはこういうほうがウケがいいかもしれませんね
刺身は、時しらず かれい 鰊 雲丹 牡丹海老 などです。
時知らずはもちろん脂がたっぷりと、牡丹海老はぷりっとしてもちろん新鮮そのものです。
6月といえば近くの積丹のウニですね。
一般的な刺身皿のイメージとは少し違いますね。むしろフレンチやイタリアンのような盛り付けです。
大椎茸 えぞ鮑の鼈甲煮
アスパラ、ヤーコンのサラダ。
アイナメとルッコラやクレソンの新緑田楽。
このあたりちょっと難解というか、少しハテナマークでした。
この頃には外もかなり暗くなっていました。
北海道サフォーク網焼き もやし当座煮
ジンギスカンを再構築したようなイメージです。
最後のお食事は、北海道蘭越産ななつぼしを使った豆腐めしと、蕪のすり流し。
デザートはラウンジに場所をうつして。
水菓子は、白樺樹液寄せ ハーブみつ
最後の甘味は
牛乳のアイスクリームと、イチゴのレアチーズテリーヌ
食後部屋に戻ると冷たい水とお菓子が。
全体的な印象としては、食材も素晴らしく、とても凝った内容で高級な宿ならではのものでしたが、人により評価が分かれるかもしれません。美味しく食べられた皿もあれば理解できないものもあり発展途上な気がしました。個人的にはもっとさらにシンプルでいいのではないかと思います。もちろん一般的な旅館と比較するとはるかに高いレベルですが、一泊2食つき一室10万円以上の旅館ですからもっと高いところを目指して欲しいと思っています。