ずっとホテル内での飲食というのもなんなので中間日のランチでセントラルにあるMott32にやってきました。現在ではアジア各地やドバイ、アメリカにも店舗を増やしていますが2014年に香港にできたのが最初です。こちらはスタンダードチャーター銀行の地下にあり特徴はそのインテリア。元頭取室を改装してレストランにしたという店内で19世紀のニューヨーク・チャイナタウンをイメージしており、マンダリンオリエンタルの内装も手掛けたデザイナーの手によるものです。かなり以前から気になっていたのですがなんとなく行きそびれていたレストランです。
なぜ32かというとニューヨークのMottストリート 32番あたりがチャイナタウンの発祥だからだそうです。
すぐ近くにはエルメスの大型店舗もあり目の保養になりました。
レストランのあるビルに到着です。
銀行のビルだから当たり前ですが普通のオフィスのようです。
こちらの受付で予約している旨を伝えて地下に降ります。はじめて来るとわかりづらいです。
レストランのフロントの前を通って更に地下へ。さすが香港の銀行の頭取ともなると厳重な環境にいたのですね。
これは金庫への入り口だったのでしょうか。ガラスというのはあり得ないのでもちろんその先にもっと扉があるのでしょうけど。
店内の写真は人物の顔がわからないようにGoogle Photoでかなり加工しています。
誰も人がいないように見えますが実際には満席でした。
毛筆の筆がたくさん釣り下がっています。
さて、最近食が細くなってきた私たちはこちらでもコース等は注文しません。というか単にコースってよっぽど食べたいメニューばかりというのでなければあまり好きではないだけですが。価格感としてはこんな感じです。
最初は腸粉の料理から。これは確かベジだったかと。
あっさりとして食感もよく幸先の良いスタートです。
定番の飲茶、エビ蒸しシュウマイ。ちゃんとつくられた味で安心しました。
小籠包。スープもたっぷりでした。
こちらは看板料理のひとつイベリコ豚のチャーシューです。噛むほどに味が染み出る感じ。
キレイに処理されていて脂やスジだらけなんてことはもちろんありません。
全体的に満足度は高かったですね。それなりに高級なお店ではあるのですがもちろん高級ホテルの中華よりは安いので次回は北京ダックに挑戦してみても良いかもしれません。
食後はすぐとなりのマンダリンオリエンタルに立ち寄ってみました。
私が安宿中心の旅行しかしないスタイルを卒業するきっかけになったホテルです。今はそういう感じではないと思うのですが、最初に宿泊した時にいつもお帰りなさいとドアを開けてくれるドアマンや、1日に何度も清掃が入り更には1階のショップにホテルのチョコレートを買いに行っている間にタオルやシーツ等の交換が終わっていたこともありびっくりしたものです。いつも完璧で対応もスピーディーというある意味金融街にあるにふさわしいホテルという印象でした。JALパックで申し込んだだけのただの若造だったので逆に申し訳ない気分になったのを覚えています。
今でこそ若いホテルブロガーもたくさんいますし、年齢に関係なく高級ホテルに宿泊したりビジネスクラスを利用したりして何が悪いという感じですが当時はまだかなり肩身は狭い趣味でした。
昔の田中康夫の本には「慇懃無礼を社是とする扇のマークのホテル」と揶揄されていましたが(笑)、確かにちょっとそういう雰囲気はありますけどね。彼の「いまどき真っ当な料理店」という料理評論本はまあ最初は嫌味に感じるのですが、本を貫いている軸というか実はピュアな部分とかがわかってきたり、読み物としても面白いし日本におけるグルメ本の最高傑作のひとつだったなと思います。今でも本棚にはありたまに読み返したりします。そういえば田中康夫と当時はホテル西洋銀座のソムリエだった田崎真也の対談本も当時社会に出てそれほど経っていない20代の時に1人でフレンチを食べ歩いていた私にはとても心強い本でした。ちなみに今だったらホテル西洋銀座のようなスモールラグジュアリーも日本で成り立ったと思うのですがちょっと時代が早すぎたのでしょうね。
本当はお茶でもしていきたかったのですが、予約済みのアフタヌーンティーの人ばっかりのようでしたので微妙な席になりそうだなと思いやめておきました。なんなら事前にリージェントから予約してもらってちゃんとデザート等を楽しんでも良かったのですが突然思い立って寄っただけだったので。なんとなくロビーに座って雰囲気だけ楽しんできました。昔のオークラみたいに割とフリーに座れるスペースがあるのですよね。
結局デザートとお茶はやはりリージェントに戻ってクラブラウンジで楽しもうとスターフェリーの乗り場に。
やはり久しぶりに香港に来たら一度は乗っておきたかったので。
この日の香港は珍しく雲ひとつない快晴でした。
徒歩とフェリーでホテルまで戻ってきました。