狸小路は1～6丁目まではきれいなアーケードの商店街が続いていて7丁目になると急に時代がかった古いアーケードになります。そしてここが狸小路と気づかない人も多いかと思うのですが8丁目になるとアーケードもありません。ところがグルメな注目店や面白いお店となるとこの10年ほどは7丁目～8丁目界隈に集中しているのですから不思議なものです。
そんな中にあってこちらのフランス料理クネル（Quenelle）は2008年からもう15年以上続くお店です。フランス料理と言ってもそんな堅苦しいお店ではなく店内には柔らかな空気が流れており、メニューの価格も安心して食べられる設定です。
当然ながら人気があり当日だと満員で入れないことが多く、事前に予約されることをおすすめします。
エントランスのこんなところにもこのお店の暖かさが感じられますね。
暖かい雰囲気と言っても店内はすべてが行き届いている感じです。ただ基本的にはオーナーシェフであるご主人とサービスを主に担当されているマダムの2人で切り盛りされていますので、打てば響くというよりはゆるやかに時間が流れています。それなりに席数がありますのでおそらくはお二人にとってはかなり重労働だと思いますが。
メニューがこれまた魅力的で、どれにするかしばらく迷ってしまいました。どちらかというと王道と言うかクラシカルな料理が多いでしょうか。
それもそのはずシェフは東京三田の「コート・ドール」斉須シェフのもとで14年間も働いていた方なのです。メニューを見るとそれとなくそう感じるものもありますね。
ご夫婦ともに辻調理師専門学校の出身でタイミングは異なるものの、そこで斉須シェフとも知り合ったのだそうです。
この見たところちょっと地味なパンが美味しくて何度もおかわりしてしまいました。
最初は赤ピーマンのムース。もちろん素晴らしい味です。コート・ドールのそれとは舌触りが違うのですがこのあたりはわざと変えているのでしょうね。
サクラマスのタルタル、じゃがいものクレープ添え。これすごく好きな味でしたね。
今写真であらためて見てもよだれが出てきそうです。人気のあるメニューのようですがさもありなんです。
ホタテのソテーとリゾット、セップ茸のソース。これもまたシンプルでいてグッとくるメニューですね。
メインは道産牛尾っぽ肉の赤ワイン煮込みと仔羊背ロース肉のロースト、いずれもコート・ドール的なメニューで迷いましたが今回は羊にしました。
コート・ドールで学んだ精神は活かしつつ、北海道の大地の恵みや自分たちの料理も加えて独自のものに進化されている気がしました。
妻のデザートはイチゴのミルフィーユ。
私はスフレですね。スフレを食べると西麻布と広尾の間くらいにあったル・スフレを思い出します。
デザートまで全く手抜き無しですね。
食後は写真を撮り忘れましたが私はハーブティーだったかな。
やはりフランス料理っていいなあと思えた夜でした。
