神楽坂「虎白」は入居していたビルの建て替えのため1年ほど休業していたが、今年の9月に再オープンしていたので、開業してまもない9月某日に訪れてみた。
店内は外観から想像するよりもかなり広く、カウンターの奥には衝立で仕切られたテーブル席がある。今回はテーブル席に通していただいた。さっぱりとしたデザインの内装だが、何よりも空間にゆとりがあるのがうれしい。
さて、お料理だが、以前は1万円からのコースがあったが、再開後は一番安いコースで1万3千円となった。まずはエビスビールで喉をうるおす。ビールの入れ方がとても良いので旨い。
まずはトマトのすり流しがかけられた茶碗蒸し。まだまだ暑い時期だったが、一口食べた瞬間に暑さを忘れ、そのさわやかさに癒されてしまった。
次にユリ根のコロッケ。ぎんなんとトリュフのソース。まんまるなコロッケがかわいらしい。
さらにタコめし、椀物代わりの?すっぽんのスープ、お刺身と続く。お酒もビールから青森の田酒にスイッチ。青森よりも神楽坂の和食のお店のほうが置いてある確率が高い不思議なお酒。
洋の素材も使いつつも、いわゆる創作料理系ではなく、しっかりと和の基本をはずさない料理が中心。そのためちょっと冒険したように見えても安心感がある。
香ばしく仕上がったウナギ。
そして具としてカニやモモのはいったジュレ。ジュレは虎白では良く登場するが、それも納得。この日の料理の中でも特に美味しく感じたもののひとつだった。
終盤には松阪牛も登場。そしてお食事。イクラご飯とお味噌汁。お味噌汁は豆腐と油揚げのシンプルなもの。しかし、油揚げには焼き色がついており、出汁の具合も良い。シンプルだけど、丁寧に作られたことがその味から分かり、素直に美味しいなあと思えるものだった。イクラご飯のイクラももちろん上品な味。
黒糖を使ったデザートも手抜きない内容。
この価格で食べられる和食として十分に満足できるものだった。季節を変えてまた訪れてみたい。