麻布十番のスブリムはソムリエ山田栄一氏がオーナーのレストランです。山田氏は「エディション・コウジ・シモムラ」「オマージュ」出身。一方シェフの加藤順一氏はもともとはお菓子からこの世界に入ったそうですが、フレンチに転向後は「タテルヨシノ(芝→和歌山)」に始まり、パリの「アストランス」、デンマーク「AOC」と経歴を積んだようです。
今回はLUXURY CARD経由で予約をし、「LUXURY LIMOUSINE」のサービスを使用して訪問しました。「LUXURY LIMOUSINE」は対象リストのレストランをラグジュアリーカード経由で予約するとブラックカードの場合、往路のハイヤー送迎が無料となるサービスです。
この日は12000円のディナーコースを注文しました。またディナーコースに合わせてワインのペアリングもお願いします。
店内は席数は多くはありませんが、オープンのキッチンには多くのスペースが割かれています。また有料だと思いますが個室スペースがあり子供連れやグループはこちらを利用したほうが良いですね。
最初のワインはシャンパーニュ。
最初にアミューズ的な品が、3品続きます。メニューの各項目には素材のみが書かれています。
「京都府亀岡 七谷鴨のレバー」
「北海道 毛蟹 アボカド」
「炭」
レストランのカテゴリとしてはイノベーティブになるのでしょうが、過度なプレゼンテーションや奇抜な仕掛けは少なく、むしろ素材に向き合った素直な料理というのが印象です。言い換えれば食べた品それぞれに素材への敬意が感じられるのです。
パンは天然酵母で酸味をかなり感じるタイプ。このパンもそれまでの料理と同じ方向性ですね。
「鳥取 アオリイカ」
イカの食感、そしてソースとのからみ、見た目凝っていますが食べた印象はシンプルに美味しさを感じます。
次のワイン。
「千葉 栄螺(さざえ)」
組み合わせとしては意外性もあるのですが食べた感じは違和感なく混ざり合ってきます。
そしてこちらのレストランの看板料理のひとつ、
「静岡 長谷川農園のマッシュルーム」
高品質のマッシュルームをどう調理すれば一番美味しいのかを考えて作られた料理なのでしょう。これはかなり直球の美味しさですね。
ワイン、3グラス目。
「和歌山 石鯛」
和歌山の海岸は岩場が多いですから、和歌山=石鯛のイメージは何となくあります。和歌山のタテルヨシノで使うことが多かった素材なのでしょうか。勝手な想像ですが。添えられたアスパラに季節を感じますね。
ワイン、4グラス目。これまでのワインはお料理にマッチしていましたがこれだけは料理のほうが勝っていた感じです。ペアリングは価格の中でどこにインパクトを持ってくるかというのもありますし、それはそれでよいと思います。
メインは「高知 土佐あかうし」
土佐あかうしを一番最初に食べたのは神楽坂のカルネヤだったかと記憶していますが、美味しい赤身肉ですよね。
ちょっと脱線しますが神楽坂のカルネヤはシェフと料理は本当に素晴らしくてずっと通いたいと思っていたのですが、当時(今もいるかわかりませんが)のサービスの方とケミストリーが合わず、決定的な出来事もあったため行かなくなりました。もちろんレストランなので味が美味しいのが一番の条件ですがそれと同じくらいサービスは私にとって重要です(最高のサービスかどうかよりはむしろ自分にとって合うか、合わないかだと思います)。
デザート「沖縄 ピーチパイン」もともとお菓子職人を目指していたということもありこちらのデザートは凝っていて再構築系の流れも感じるインパクトと味が両立した皿でした。
「静岡県掛川 紅富貴」
交配された品種で緑茶と言うよりは紅茶の味わい、それをデザートに使用しています。
最後は「固め」の昔ながらのプリン。これはもう見ただけで美味しいとわかるプリンです。
イノベーティブというよりは素材と向き合い、それを安易な方向だけでなく様々な組み合わせで引き出していく料理を提供するレストランという感じでした。客層は落ち着いた雰囲気のフレンチを食べなれている印象の方が多く、外国の方もいましたね。
今度はランチでも訪れてみたいです。