【すすきの】「だいまるいち」地下鉄すすきの駅改札横地下にあるのに何故か隠れ家的なお店(札幌グルメ112 2025年5月)

雛にも稀な隠れ家というにはあまりにも札幌の中心のススキノ繁華街、しかも駅に直結の地下通路にあるという「だいまるいち」、最初はよくある飲み屋のうちの1軒かなと通り過ぎていましたが何故か気になる佇まいでそのうち入りたくなってしまいました。こういう立地のお店って外に「ひらいて」いるのが普通なのですがこのお店は中に「閉じて」いるのですよね。

札幌の地下鉄は札幌オリンピックの時代から時が止まっているような感じですが、それは各駅に附帯している地下通路の飲食店街にも言えます。大阪の地下鉄も昔は地下からこのようなちょっと怪しげな地下街につながっていたものですが、この10年で大阪は東京と変わらないような街になってしまった気がします。一方でグラングリーン大阪のような素晴らしい場所もできたりと時代の流れなので仕方ないのですが。

札幌は地下鉄以外でもオリンピック時代の古いオフィスビルや雑居ビルが立ち並び、その中に隠れた名店があったりと私にとっては故郷である昔の大阪と並んで心はずむ都市だったわけですが、とうとう再開発の波は札幌にも到達し、おそらくはこれからの5~7年で札幌はかなり変わっていくものと思われます。一方で想定ほど変化しない要因もあります。オリンピック中止で北海道新幹線の開業も10年ぐらい延びてしまい札幌の街の発展を考えるとやはりあったほうがよかったのかもしれません。地元の人も含め五輪と新幹線両方に否定的な意見が多いですが、そうは言っても札幌は品川駅と新横浜駅に挟まれ駅を作るには近すぎる川崎市以外では新幹線が通っていない唯一の100万都市(というか197万なので200万近いですが)であり、私は通せば必ず成功すると考えています。

なんか個人的なノスタルジーと札幌の方向性で矛盾をかかえたような意見になってしまい恐縮ですが、街も人生も何かを手に入れれば何かを失うものなんだと思います。

本題に入る前に余計な話題で長くなってしまいました。

これまで何度か暖簾をくぐりながらフラれていたお店です。基本満員のことが多く、店主がワンオペのため2人掛けの腰掛に相席で詰め込んだりもしないため入店難易度は高いです。どうしても入りたい人以外は何度かふられて諦めてしまうかもですが、私は絶対入ろうと思ってしまいました。

お通しは蟹の身のほぐし。

こちらに移ってきた2022年ごろよりはだいぶ値付けは上がっています。しかしながらもっと儲けたいというよりは場所が場所だけに変なお客が来ないようにしていると解釈しました。例えば東京の神楽坂の隣町の江戸川橋なんかも値付けを安くしてしまい「悪い常連」につぶされた良店をいくつも見てきた私としては納得です。

駅地下・駅近のカウンター飲み屋とは思えない割烹料理店のようなラインナップです。

日本酒の銘柄は絞られていますがメニュー以外のものもあったりします。

鶏もも串。場所の都合もあり本格的な炭火焼の設備が確保できない中でこの仕上がりはなかなかのものです。

カラスミ春雨、上に少しキャビアものっかっています。これまたシンプルながらも次回も絶対頼んでしまいそうな一品ですね。

アスパラ。レモンもたっぷりのサイズで。アスパラの美味しさを引き出す仕上がりです。

日本酒はこの日は「作」と「高千代」を飲みました。

豚串。豚肉の旨味を感じる焼き具合です。

最後は縞アジの握りで。

やはり事前に感じていた通り良いお店でした。あまり間を開けずに再訪したいです。