【能登 七尾】ヴィラ・デラ・パーチェ(villa della pace) 宿泊編(能登・富山旅行2021夏 その2)

今回の能登旅行のハイライトは能登・七尾にある「ヴィラ・デラ・パーチェ」です。一般的なくくりでは宿泊施設付きのレストランなので「オーベルジュ」となるのでしょうが、食が主で宿が従というわけではなく、レストランも宿も能登の風土や食をまるごと体験して味わうための舞台と考えたほうがよさそうです。

もちろんレストランだけでも素晴らしい体験が待っていますが、宿泊することで「ヴィラ・デラ・パーチェ」がゲストに味わってほしいと思っている世界をより深く理解できるような気がしました。

現地に到着して車を止めるとレストランのソムリエの方が来てお部屋に案内してくれました。お部屋のインテリアはシンプルそのもの。余計なものや装飾は何ひとつありませんが、そこに置かれているものの素材は吟味されています。最初はあまりのシンプルさに戸惑いがなくはなかったのですが、後で料理を食べて納得しました。部屋のインテリアと料理はつながっていたのですね。素材の素晴らしさと能登の風景との一体感、それらが滞在中ずっと寄り添ってくれているような居心地の良さを感じました。

最初の写真が自宅兼宿泊棟で二枚目の写真がレストラン棟となります。

私自身は最近1か月のうち一定の期間を神楽坂に加えて那須で過ごすようになって自然との距離や自然との向き合い方に変化があったと思います。そういうタイミングでの能登訪問、そしてこちらへの訪問だったのでより印象的に感じたのかもしれません。

入室するとまずこのような空間が広がります。

チェアとミニテーブルが置かれた場所からはレストラン棟とその向こうに海が見えます。この見え方がとても良いです。

ランプもいいですね。シンプルな空間だからこそこういうアイテムも映える気がします。

手前の棚にはリネン類や雑誌が収められていました。このスペース滞在中にちょっとしたものを置くのに便利でした。

こちらの能登に生えているアテ(あすなろの仲間)の葉を使った精油スプレー(ウィルススリーパー)、マスクの外側にもちょっとかけてみましたがすっきりとリフレッシュできました。

People treeのオーガニックコットンを使ったナイトウェア。これも抜群の着心地というか、着るとリラックス度が上がる感じです。

ここのところホテルで建築家やデザイナーの主張を強く感じるインテリアばかり見てきたので逆に新鮮というか、居心地良いなと。

寝室スペースにはベッドを4台並べられるスペースがあります。今日は私たち夫婦だけなので布団のような低床ベッドが2台並んでいました。最初質素に感じたのはこの布団のようなベッドも原因でした。これだと朝起きたら腰が痛くなるのではと危惧したのですがこれが寝てみるととても心地よいのです。朝の目覚めも良くなんだろうこれはと思ってシーツをめくってみるとスイスのヒュスラーネスト社の自然素材を使ったフレームと、ボディドクターという天然の発砲ゴムを使ったメーカーのマットレスが使用されていました。掛け布団もオーガニックコットンを使ったもので肌心地がよかったです。

素材感の良さは洗面・バスルーム回りも同様です。タオルが自然素材100%のガーゼとパイルを合わせたものでとても心地が良いです。歯ブラシは竹製で歯磨きも使い切りのものでした。

ドライヤーは無印良品です。

バスルームも余計な装飾や華美な設えは一切ありませんが大きめのバスタブ、そしてレインシャワーがあり、ゆったりとくつろげます。ヘアケア、ボディケアアメニティーは有機JAS認定を受けた植物でつかった京都のオーガニックコスメブランドNEMOHAMOのもの。

エントランス横のクロゼットはオープンタイプ。

冷蔵庫スペース上のカウンターにはお茶のセットと、七尾にある老舗の喫茶店「直火焙煎珈琲中央茶廊」のドリップコーヒーが。

トイレは個室タイプで手洗い付きです。

夕食にはまだ少し時間があります。付近を散策してみましょう。

レストランの脇を通り抜けて海へ。

内海ですからまるで湖のように静かです。少し前に見た琵琶湖のほうがむしろ海のようでした。

こちらは以前は海水浴場で、レストラン棟の建物は別の場所にあった海の家の材料を再利用して作られたもので最近までは集会所として使われていたそうです。

釣りをしている人がいました。

もう少し先まで行くと原生林が残るエリアがあるらしいのですが時間切れで戻ります。

宿泊施設は1日1組。1泊2食付きで1人35000円(税込)です。宿泊せず夕食のみの利用だと14520円(税・サービス料込)で、朝食を仮に2人で5000円程度とすると宿泊部分は1部屋35000円強となります。宿泊部分を高いと思うか安いと思うかは価値観次第でしょう。常に「コスパ」だけを重視するなら同じような価格で高級ホテルにも宿泊できる昨今では高いと思うでしょうし、ここだけの体験としてとらえられる人にとってはむしろ安いと感じるのではないかと思います。私は後者でした。

次回は夕食の様子をお伝えします。