ベラビスタ尾道のディナーはメインダイニングの「Erretegia(エレテギア)」でとることにします。シェフの藤井氏はバスク地方で修業をしたそうです。
日が暮れるとホテル前のデッキに火が灯りました。
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建物を横に見つつ長い通路を歩いていきます。
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アプローチが長いのは期待を高めるという意味では効果的ですね。
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エレテギアに到着です。こちらのレストランはライブキッチンになっている「エレテギア キッチン」と「エレテギア ダイニング」に分かれています。本当はキッチンのほうが気になったのですが、既に予約で満席ということでしたので今回はダイニングのほうで。
こちらはエレテギアキッチン。キッチンとカウンターが一体となったデザインで本当にキッチンの中で食べているようです。翌日朝に少し見学させてもらいましたので、その様子は別途。
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そしてこちらはダイニング。オープンエアのような周りの風景と一体化したデザインが特徴です。
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エレテギア、建築的にも凝っていますね。日本商環境デザイン協会のJDCデザインアワードの金賞を2016年に受賞しています。ちなみにこの年の大賞はBOOK AND BED TOKYOの池袋本店ですね。同じ金賞には蔦屋家電や東急プラザ銀座も受賞していました。
またエレテギアからも見える中村拓志氏設計のリボンチャペルはリボンのように壁が絡み合っていますが、これは2人が別々の階段を上り頂上で一緒になって2人で降りられるように作られています。外観の美しさや「結婚式」の会場としてのチャペルの役割がうまく重なり合っているんですね。こちらは日本建設業連合会の2016年度BCS賞を受賞しています。BCS賞は通常大型の建築物が対象なので(年に15作品ほど選出されますが、この年は例としてザ・リーツ・カールトン京都やグランフロント大阪など)、このような規模の小さな建築物が受賞するのは珍しいです。
写真で奥に見えるのがリボンチャペルです。
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こちらのホテルのウリのひとつである夕日が見られなかったのは残念です。また別の機会に訪れたいです。
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それではレストランの内部と料理を紹介していきましょう。ダイニングはこのように屋内席と屋外席が連続性をもって連なっています。
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ディナーコースは15000円と結構なお値段です。メニューは最近よくある素材のみ書かれているパターンです。
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ダイニングに入って驚いたのは予想以上に客層が若いことです。もしかしたら中高年のゲストは和食レストランに行っているのかもですが。水盤の風景はインスタグラム等でもよく写っていますし、また結婚式のロケーションとしてはこのホテルは素晴らしい舞台なので、若い層に訴求する魅力が多いのかもしれません。
こちらのホテルのスタッフはみんな一生懸命です。良いサービスをしようという意気込みを感じます。ただし「若い」層がこのようなホテルを利用しているのは喜ばしい限りですが、ホテルのスタッフもまたいろんな意味で若いため、クオリティの高いサービスを実現するのであればホテルスタッフとゲストの両方にもう一段上の努力が必要だと思います。よほどのシーズンオフでもない限り2食付きで2人一部屋7万円を超えてくる(宿泊日は8万円台後半)ホテルなのですから。
少し辛口に聞こえたかもですが、そうではなくてホテルやスタッフが努力しているのがすごく伝わって来るからこそ、惜しいところが気になるというか、逆に更にもっとよくなるのびしろがあるように感じるのです。
さて、今度こそ(笑)料理のご紹介です。
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ワインはシャンパーニュ「ルイ・ロデレール」をボトルで注文しました。
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一皿目はサヨリ、そして空豆のスープです。スープには泡立てたミルクを追加で回しかけていきます。
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サヨリは海藻とともに味わいというよりは触感を楽しむような仕上げになっています。
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こちらのお皿はスガハラですかね。
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続いて「農園」と記されたサラダ。瑞々しい野菜たちとジュレの組み合わせは奈良のリストランテ ナカモトを少し思い出しました。あちらは板状にかぶせゼリー状になっていたのでよりとんがっていますが。こちらもスガハラの器ですね。
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広島のアスパラ。これはもうアスパラ自体が美味しいので何も言うことはありません。ソースも通常のオランデーズソースよりもこちらのほうが好みの味でしたね。
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ほどなくフィンガーボールが到着。そして次の料理であるエビが登場しました。このあたりスペイン的な料理ですね。
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魚料理はマナガツオです。こちらもシンプルな調理法で。
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ちなみにお手洗いに行ったついでに夜のエレテギアを外から撮影。なかなか美しいですね。
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そしてメインは牛と鴨を二人で食べ分けて。
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鴨はかなり野性的な味で皮もぱりっと仕上がり、「焼鳥」的な美味しさがありました。牛肉はクオリティの高い和牛でしたね。そういえば「エレテギア」とはバスクの言葉で「網焼き屋」を差すそうですからなるほど納得です。
そして椎茸そーめん。こちら肉厚の高級な椎茸で食べた感触も通常とは別物でした。麺も普通のいわゆるソーメンではなかったと思うのですがちょっと忘れてしまいました。
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デザート。瀬戸内の柑橘類は日照時間の長さもあり本当に抜群の美味しさですね。
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最後にハーブティーと小菓子。
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全体として料理には素材の力を強く感じたし、あと余計なソースをあまり使ったり、調理しすぎたりしていないのでこれだけ食べて、ワインもボトルで飲んだのに翌朝カラダが軽く、胃のもたれ感もまったくなかったですね。シェフもおそらくは料理の中で素材の力を前面に押し出そうとしているのでしょう、美味しく健康的な料理でした。敢えて言うとちょっと料理によっては中途半端感があり、今のようなゲストに向けた料理を提供するのか、やりたい料理をやるのかの迷いのようなものを感じました。中途半端なままだと10000円位ならともかく15000円は高いと感じてしまうので、個人的な要望としてはぜひ突き抜けてほしいですね。
ロケーションもそうですが、あらためて料理にも瀬戸内という場所のポテンシャルを強く感じた時間でした。