これから目指すMOA美術館は2泊目の宿のすぐ近くにあります。できるだけ効率よくと考えると熱海の駅前で時間をつぶして午後に美術館、そこから歩いて宿にチェックインというプランが良さそうです。熱海駅がしばらく来ない間に新しくなっているのは新鮮でした。
まずはどこかで喫茶店にでも入るかと思い駅前の2本のアーケードをぶらついてみたものの、この日も午前中から灼熱地獄ですぐに歩くのすら嫌になってしまいました。そこで不本意ながらわざわざ熱海まで来てマクドナルドへ。駅前のマクドは思いほか大きく座席もゆったりと配置されているので、正直なところ快適で結局ここで時間を過ごしてしまいました。いつでも来れる熱海でそんなにシャカリキになって体調を崩しても意味がないのでまあ良かったのかなと思います。
アーケードの中にあったパン屋さん(パン樹 久遠)で翌日の朝食用のパンを購入。ミニサイズのパンを購入しましたが餡もぎっしり入っていて美味しかったですよ。惣菜系のパンも多く、埼玉で言うところの「デイジイ」みたいな位置づけでしょうか。
駅前からMOA美術館行きのバスを終点で下車。チケットはラビスタで割引券を購入していたのですぐにゲートへ。
美術館の本館まではいくつものエスカレーターを乗り継ぎます。江の島のエスカーとは全く規模感が違いますね(笑)。
天井に投影されている万華鏡は、世界的な万華鏡作家、依田滿(みつる)・百合子夫妻の作品です。こちらはプロジェクションマッピングではなく、ライブカメラによるものだそうです。
いったん外に出ます。
再びエスカレーターへ。
美術館の外壁はインド産の砂岩が使われています。現在は既に輸入禁止になっています。イスラエルのエルサレムや地中海のマルタも町全体で砂岩が多く使われていますので、どこか外国へきたような気分になりました。施工は竹中工務店です。
ちなみにMOAとはMokichi Okada Associationの略で創立者である世界救世教の教祖 岡田茂吉からきています。museum of artともかけているようにも見えますね。
MOA美術館は国宝や重要文化財も多く所有していますが、建物自体も見応えがあります。
館内には能楽堂もあります。
あと秀吉の黄金の茶室を再現したコーナーも。茶道具も金で、全部で50kgも使われているそうです。
展示室のエントランスの扉や床は2017年のリニューアルの時に新しくなっており、杉本博司氏と建築家・榊田倫之氏の設計事務所「新素材研究所」の手によるものです。扉は木曽檜、床が奈良・東大寺の瓦も焼いている職人によるものです。
ちなみに展示物の国宝の中でも有名なのは「紅白梅図屏風」ですが、こちらは期間限定で公開されるものなので今の時期は展示はされていませんでした。
もうひとつ有名な国宝は京焼色絵陶器の大成者である野々村仁清「色絵藤花文茶壺」です。こちら黒の漆喰で囲まれたスペースに低反射高透過ガラスに囲まれて展示されています。こちらの展示コーナーもリニューアル時に生まれたものです。
他にも重要文化財クラスの展示物も多く、見どころの多い美術館です。外国の美術館のように(一部を除いて)写真が自由に撮れるのも良いですね。
特別展はNHKの「びじゅチューン!」の番組で作詞・作曲・歌・アニメーションの全てを手掛けている井上 涼さんの「井上涼展 炎のアツアツびじゅチュ館」でした。
公営でない美術館としては最大級の規模ではないでしょうか。紅白梅図屏風の展示があるときにまた来たいですね。