私が東京の高級なフレンチやイタリアンのカテゴリで一番多く訪れているのはどこかと言われたら間違いなく神楽坂の自宅にほど近い江戸川橋の「リストランテ ラ バリック トウキョウ」だと思います。
多く訪れている理由は料理の素晴らしさももちろんですが、オーナーソムリエ坂田さんのひかえめながらも本当にゲストのことをよく考えてくれているサービスです。東京は美味しいレストランは山のようにありますが本当にサービスの良いレストランは多くはありません。こちらは何度訪れても期待値を下回らないですし、「サービス」をはき違えてわかりやすいパフォーマンスやあからさまな常連優遇を見せつけられることもありません(ちなみにわかりやすく常連扱いされるの私は苦手なんです)。ただそれゆえに1~2度訪れたぐらいだと良さがわかりづらい、あるいは地味に感じるかもしれません。
話はちょっとそれますが最近の有名レストランで明らかにグルメ系の著名人に気に入られるようなサービスをするお店があり(ちょっとメニューにないものもパパッと作って出しちゃいます的な)、またそれをフォローして訪れるグルメクラスタも多いことから、結果として食べログ点数も高く、各種ブログや雑誌でも絶賛されて全く予約がとれなくなるということが多く起こっていますが、個人的にはそういうのには冷めています。そういう中で地に足をついてしっかりゲストの心をつかんでいるラ バリックのようなレストランは貴重だと思います。
こちらのレストランに行くとスタンダードな「ラ・バリック」コース9800円(税別)を注文し、ワインは毎回料理のお皿ごとに最適なワインを坂田さんに選んでもらっています。おおむね2人合計で45000円ぐらいになることが多いですね。
レストランは坂田さんのご実家を改築してレストランとして利用しています(現在耐震補強工事で夏季の2か月改装中で2018年9月にリニューアルオープンします)。
いつものようにコースを注文すると、最初のワインが運ばれてきます。
まずはスプマンテから。セルジオ・バラーレ・メトド・クラシコ2012はバローロ地区の畑のワインで、生産本数はわずか1000本。そのうち何と半分の500本をラ・バリックが仕入れておりエチケットにもレストランの名前が刻まれています。
江戸切子のグラスに水が注がれます。
最初に何品かアミューズ的な品が提供されます。
温かい前菜では私はカツオを、妻はアナゴをチョイスしました。
パスタはサマートリュフと鮎のタヤリン。
鮎の香りと苦み、サマートリュフの香りと苦み、混ぜ合わせて食べると何とも複雑な味わいになりパスタともよくからんで幸せな気分になります。
メインは今回は仔牛で。
デザートはさっぱりとしたものをチョイス。
小菓子とカフェ。
ワインは以下のようなものが提供されました(順不同)。
ラ バリックであらためて認識したのはイタリアはやはり「地方料理」でその地方ごとに様々なワインがあり、その組み合わせや食材で数えきれないほどのマリアージュがあることです。そこでは単にワインの価格ではなく、本当に奇跡と思えるような組み合わせがあり、坂田さんのセレクトに何度もうならされたことがあります。
今回も価格もさまざまですが最初から最後まで楽しませてもらいました。
RIESLING MANNI NOSSING 2014はゲヴェルツトラミネールですね。
ドルチェット ダルバ 2014 バルトーロ マスカレッロ
モンフェッラート ビアンコ シレンテ・デッラ・マルネ’ 2013 生産本数は3000本ほど。
モンテニードリ トラディジオナーレ・ヴェルナッチャ・S.G.
カーザ・エンマ キャンティ・クラッシコ
ソレッレ・デ・ニコラ フェイレス バルバレスコ リゼルヴァ
BIRBET ピエモンテ地方の微発砲のロゼでデザートワインとして。
トイレにはGAJAのサインが。
イル ボッロはサルヴァトーレ=フェラガモファミリーが手掛けるワイン。
今回も大満足の内容でした。