精肉店サカエヤのレストラン「セジール」でランチ(滋賀滞在2021年春 その9)

精肉店のサカエヤが経営するイタリアンレストラン「セジール」。せっかく滋賀の湖南地域に滞在しているのなら以前から気になっていたこちらははずせません。マリオット琵琶湖からは行きづらい(タクシーだと道路も混みがちなので8000円くらいするかと)ので今回はお酒が我慢してランチで楽しむことに。

サカエヤはNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」 にて「我流、肉道~​精肉店店主・新保吉伸~」として取り上げられたこともあり(それ以前から有名でしたが)さらに全国区の知名度になりましたね。滋賀と言えば近江牛ですが、近江牛はある意味美味しくて当たり前の肉でもあり、経産牛などある意味あまり良い扱いを受けていなかった肉を熟成を含めた様々な手当てをすることで美味しく食べられる肉にするというのがサカエヤの特徴です。でももちろん近江牛も取り扱っていますよ。

肉に対するストイックさは、山形「イル・コテキーノ」店主のハムへの情熱にも通ずるものを感じました。

精肉店とレストランの外観は肉店のそれとは思えないような木の質感が活きたおだやかでのびやかな造りです。

エントランスも余計な装飾がなく、逆にレストランへの期待感が増すような佇まいです。

レストランの中に入っても印象は変わらず、自宅にいるような温かみのある雰囲気ですね。

コロナ対策で席数を更に減らしているのかもしれませんが、そうでなかったとしてもゆとりのある配置です。奥にはセラーが。やっぱり高くついてもタクシーで来た方が良かったか・・・。

ランチには4800円のコースもありますが肉のチョイスも限られてしまいますし、ここはディナー同様の9000円のコースでいきましょう。

使用する肉をプレゼンテーションしてくれます。もうここで期待度が最高潮に達しました。今回のコースでは2種類の肉を選べるのですがせっかくなのでタイプの違う肉を食べ比べたく、ひとつは鹿児島の経産牛熟成肉ランプ、もうひとつは近江牛のイチボにしまいました。とこれで終わりのはずですが説明を聞くと別料金で肉の追加も可能とのこと。それではということで中段に置かれていた近江牛のカイノミも注文してしまいました(写真は撮影のため手前に出してもらいました。

ドリンクはクルマなのでノンアルコールのスパークリングワインを。

突き出しは鹿児島の豚のハム、そして新玉ねぎのジェラートと大麦が添えてあります。このハムからして目の覚めるような味。すっきりとした肉の旨みを邪魔するものがなく一気に食べてしまいました。

パンももちっとして美味しかったですね。自家製かそれとも付近のパン屋さんのものかは聞き忘れました(滋賀・草津周辺にはいくつか有名なベーカリーがあるので)。

牛肉のタルタル。余計にこねくり回すようなことはせず肉そのものを活かした味付け。文句なく美味しいのですがもっと食べさせて! 追加料金は払うので増量してほしかったです(笑)

レバーのコンフィ。火の通り具合がわかるよう断面も写真に撮りました。本当に火は必要最小限。レバーの品質に自信があるのでしょう。ちょっとクセのある白ワインに合いそう・・・・。残念ながら今日はジュースですが、この料理は甘みともよく合うので意外とバッチリです。

パスタはミースソースに自家製手打ち平麺のパッパルデッレ。鉄板の組み合わせで、絡めてある野菜の苦みとも調和していますが、こういうシンプルなものほど難しくて十分すぎるほど美味しいものの、もっと伸びしろがあるとも感じました。

さて、いよいよお肉です。

近江牛はそのままで美味しいのであまり熟成させていません、その通りの美味しさです。やはり注目したのは経産牛熟成肉の香りと旨みです。以前に食べたニューヨークのピータールーガーの熟成肉も素晴らしかったですが、サカエヤの熟成肉も通常のものとは別次元の素晴らしさです。次からは全部経産牛熟成肉でもいいと思いました(近江牛は他のお店でも食べられるので)。

最後は牛肉赤ワイン煮とリゾット。牛肉はスプーンだけでもほろほろと崩れ落ちるぐらいの煮込み具合。最後まで楽しませてくれますね。

そしてデザートは昔プリン。最近はビストロやカフェでもこういうプリンが出てくるところが増えましたね。私というよりは妻がプリン好きなので有難いです。

もちろん精肉店にも立ち寄りましたよ。

肉のショーケースが美しいですね。ケースを通して肉の旨みが伝わって来るようです。

A5こそが牛肉という価値観ではないので、手の届きやすい価格帯のお肉も多いですよ。私達も最高級の価格帯ではないお肉を購入して那須別宅に送りました。それは別宅ウッドデッキでのガーデン焼肉となったのですが、その紹介はまた別の機会に。