2018年5月のオープン間もない頃から気にはなっていたのですが瞬く間に人気店となり予約が取れなくなってしまった「南方中華料理 南三」。荒木町界隈は和食やバーが多いですが中華のジャンルでもいくつか有名店があります。今回は奮起してOMAKASEの予約開始タイミングが始まると同時にアクセスして運よくゲットしました。ちなみにたまにOMAKASEからメールでキャンセル枠連絡も入るのですが2分経っていると間違いなく埋まっています。
シェフの水岡氏はキャリアの最初の頃は西麻布「A-Jun」や三田「御田町 桃の木」で修業して、その後は中国各地を旅行したり、台湾では料理学校に行ったりする中で各地域の料理を覚えていったそうです。帰国後も有名店である「蓮香」で働き、その後にこちらに自分のお店を出しました。こうやって列挙するともしかすると過去にいろんなお店で彼の料理を食べていたのかもしれません。
さて、神楽坂の自宅からは白61の都バスで一本、曙橋駅前で降りて歩きます。場所的には神楽坂「蓮」出身である石山氏の予約困難店「荒木町たつや」の近くとなります。
店名の「南三」というのは南方の(中華)料理というのとシェフが最も惹かれた雲南・湖南・台南の三つの「南」を指しているそうです。コースはオープン時は5000円(税別)でしたが現在は7700円(税込)。今の価格でも安いと思うのにオープン時はいくら何でも安すぎだったかもですね。
こちらの料理は見るからにお酒が進みそうなものばかり。本来中華料理はエリアにもよりますがそんなにお酒がなくても食べられる内容ですが、こちらではお酒は必須と言っても良いと感じます。事実この日に予約していた人たちも全員お酒は飲んでいました。お酒を飲まない人の割合が増えると一般的には料理の値段が上がってしまうので、ぜひ今の状態が維持されることを望みます。
というわけで今回ももちろん飲むわけですが、最初黒板にあった深漬レモンサワーが気になったものの、(最近はやりの)自由にとって良い冷蔵庫を覗くとジョージアワインがあるではないですか。ジョージアに行って実際に現地で多くの種類を飲んだ楽しんだ私達としてはジョージアワインがあると無条件で頼みたくなります。
というわけで選んだのはこちら。オレンジワイン(アンバーワイン)というのは色は薄めですが、味は現地で飲んだワインたちを思い出すのに十分です。
ちなみにジョージアで訪れたワイナリーやワインバーの記事はこちら。この時は首都であるトビリシのワインバー2軒とカヘティ地方のワイナリーに行きました。
それでは料理へ。最初は冷菜の6種盛りから。これがもうお酒を飲んでくださいと言わんばかりの内容で、しかもそれぞれが凝っています。中国各地方の料理をうまくアレンジしてクセのある料理も含めて日本人でも美味しく食べられるような味付けになっています。それでありながらしっかり現地感もありそこのバランスが絶妙です。
6種盛りの内容です上左から時計回りに
- よだれマグロ
- アヒル塩卵とホワイトアスパラ
- 蒸アワビカニミソトマト醤
- 酔っぱらいナマコ
- 菜の花ピータン醤
- サクラマスプアール茶スモーク 台湾ハイビスカス蕪ピクルス
マグロは酔っぱらい鶏のアレンジなのですが、ヅケ鮪を中華風にしたようなクセになる味わいです。ホワイトアスパラはこれはもうテッパンの料理ですね。
アワビは中華のようで和の要素もありながらもっとエスニックな雰囲気です。
サクラマスのスモーク、このあたり全部紹興酒にも合いそうですね。
いずれも凝ったものばかりで食べてはっとするようなものばかりです。
こんな感じに取り分けて食べました。
続いて出たきたのが中華風シャルキュトリーと言ってもいいような珍味盛り(鴨舌、パリパリ豚大腸、羊ウイグルソーセージ)でオープン当初からある看板メニューのひとつですね。
オカワカメと春ワカメと筍と雲南ハムスープがけ。雲南料理らしいヘルシーな雰囲気の料理。
白子、カラスミ、大根餅の春巻。何とも贅沢な春巻ですね。外はパリパリ、中はとろっとろです。
鰆とハマグリの塩レモン蒸し。やわらかさと鮮烈さが同居するような料理。
羊のロースト、発酵リンゴと金柑のソース。羊とこのソースがまたよく合います。もちろんジョージアワインにもよく合います。
こちらは取り分けたところ。
〆の料理はホタルイカのビーフン、台湾バーベキューソース。ホタルイカがすごいボリューム。ビーフンもかなり太めでしっかり。これはもうイタリアンかと思うような一品。
最後は桃の樹液の杏仁豆腐。
最後までまったく飽きさせないコースで、次はいついけるのかと考えています。